家族と言う名の箱庭53 ～ニートの兄を作った人たち～

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家族と言う名の箱庭52 ～ニートの兄を作った人たち～

あとがき

６００万なんて普通の人が簡単に手に入る額じゃないし、宝くじで当たるレベルの金額だと思っている。
もし私だったらどんなに面倒でも、元夫ともめようがなんだろうが絶対に取っていた金額だと思う。
それを面倒だからという理由で放置した母。
面倒だからという理由で、素直に父との借金を背負って自己破産した母。

何もかも甘すぎて本当に私とは分かり合えないと思った。

母から特別冷たくされたわけでもないし、意地悪もされたことはないけれど、子供の頃からどうしても母が好きになれなかったのはこういう理由だったのかもしれない。
一緒に居ても、一緒に遊んだりしても、どうしても母が私を想っているんだなと感じたことがあまりなかった。

大人になって、母が歳を取っても絶対に面倒なんて見ようとも思わなかった。
自分が冷たいと思ったこともあるけれど、本音は心から親を大事に思えなかった。

そしてこのままニイトも一人になった時、自分に矛先が向くのでは…と不安になった。

つづく

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